碑 面 里へくだれバ 日ハ西の山に入りぬ あやしの軒に立て 一夜の宿をこふ そのよハ 板敷きの上に ぬまてふものをしきて臥す 夜のものさへなけれバ いとやすくねず よひのまハ 翁の松をともして その火影に いとちゐさきかたみくむ なにぞと問へば これなん よしのゝさとの花筐といふ 蔵王権現の桜のちるをおしミて ひろひて盛たまふ そのいわれにハ いまもよしのゝ里にてハ いやしきものゝ家の業となす あるハ わらハのもてあそびとなし また物種いれて まきそむれバ 秋よくミのる これもてるものハ 万のわざわひをまぬがるとかたる あはれにもやさしくおぼひけれバ つとにせむ よしのゝ里の 花がたみ (以上 碑左脇の案内板より) 場 所 奈良県吉野町吉野山 金峯山寺蔵王堂 左方 後醍醐天皇行在所跡 筆 者 良寛 建 碑 平成6年(1994)10月13日 建碑者 発願 : 良寛遷化の地 新潟県和島村 和島村良寛会 和島村観光協会 協讃 : 奈良県吉野町 全国良寛会 趣 意 良寛旅日記吉野紀行建碑趣意 孤貧優游の僧良寛は 西行の足跡を尋ね 此処吉野山の地を踏み 旅日記吉野紀行の墨跡を遺している 之を碑に刻み 敬慕の方々のご高覧に供すべく 縁りの当吉野町の御協讃を得て 南朝旧蹟の傍に建碑するものである 協讃各位の御芳名は碑中に納めて その高志に謝す 設立準備委員長 和島村長 清野精合 識 平成6年10月13日 発願 良寛遷化の地 新潟県和島村 和島村良寛会 和島村観光協会 協讃 奈良県吉野町 全国良寛会 参 考 「定本良寛全集」3-文集-里へくだれば 3-俳句-099 「いしぶみ良寛」続-81-166_167