案 内 出雲崎の良寛誕生地跡に建つ「良寛堂」は 日本画の大家・安田靫彦の設計によるが 使われた木材は 静岡県伊豆修善寺温泉の新井旅館が 時価の半額で提供したものだという 新井旅館の3代目館主・相原沐芳(寛太郎)は 東京美術学校卒の画家であったが 新井旅館の跡取り娘と結婚以降 新井旅館に集まって来る 横山大家などの文人墨客の対応に追われた → 新井旅館の文化財の歴史と文人墨客達 特に 病弱であった安田靫彦とは 新井旅館に療養させるなど 大変親しい間柄となっていたので 良寛を敬慕する安田靫彦の意に沿うよう 出雲崎の良寛堂建立に支援を惜しまなかった さらに 新井旅館の一隅に 安田靫彦設計になる「観音堂」を昭和11年(1936)に完成させた 今は この観音堂も登録文化財となっている 観音堂に安置の聖世観音菩薩像は 沐芳夫人の名をとって「おつる観音」の愛称で呼ばれるという 右上写真の天平大浴場(登録文化財)の柱は 台湾産檜で今では世界遺産になっている大木から4本の柱を切り出して使い 石は1/3だけが上に出ている 3年費やし 昭和9年(1934)7月1日に完成した なお 出雲崎の良寛堂にも 同じ台湾産檜材が使われているとのこと 場 所 静岡県伊豆市修善寺970 新井旅館敷地内 建 立 昭和11年(1936) 参 考 反町タカ子著「良寛堂建立の記録 佐藤耐雪の『用留』を読む」P231-233 サ イト 新井旅館