案内板 良寛詩碑 余将還郷 至伊東悲駕波 不預寓居干客舎 聞雨悽然有作 一衣一鉢裁随身 強扶病身坐焼香 一夜蕭々幽窓雨 惹得十年逆旅情 良寛禅師作 御風拝書 余(よ)まさに郷(きょう)に還(かえ)らんとして 伊東悲駕波(いとひがわ)に至り 不預(ふよ)客舎に寓居す 雨を聞き悽然(せいぜん)として作あり 一衣一鉢わずかに身に随う 強(し)いて病身を扶(たす)け 坐して香を焼(た)く 一夜蕭々(しょうしょう)たり幽窓(ゆうそう)の雨 惹(ひ)き得たり 十年逆旅(げきりょ)の情 良寛が玉島の円通寺(現在の岡山県倉敷市)での修業時代を終え 帰国の途中 この糸魚川で病にかかり社人の家に投宿 夜香をたき 雨を聞きながらつくった詩です この碑は 昭和5年良寛の百年忌に相馬御風が主宰する短歌の会である木蔭会によって建立されたもので 碑面の文字は御風の肉筆によるものです ここ単伝山直指院は 後半生を良寛研究に心血を注いだ御風が研究のためよく滞在しました この「一衣一鉢」の書は その滞在中に書されたゆかりのある寺でもあります 場 所 新潟県糸魚川市本町3-5 単伝山直指院(じきしいん)境内 筆 者 相馬御風 建 碑 昭和5年(1930) 良寛禅師100年忌記念 建碑者 木蔭会 刻 者 柏崎 小林群風 参 考 「定本良寛全集」1-361「いしぶみ良寛」正-74-260_263