碑 面 御可部之 師 以散奈悲天由閑波遊可女登飛東乃見天 安也之女見良者以可仁之轉末之 御可部之 貞 東悲ハ東比春ゞ女波數ゝ女散幾者左起 閑良數東可良春奈爾可安也之幾 読み1 御かへし 師 いさなひて ゆかはゆかめと ひとのみて あやしめみらは いかにしてまし 御かへし 貞 とひはとひ すすめはすすめ さきはさき からすとからす なにかあやしき 読み2 御かへし 師 誘ひて 行かば行かめど 人の見て 怪し眼見らば 如何にしてまし 御かへし 貞 鳶は鳶 雀は雀 鷺は鷺 烏は烏 何か怪しき 案内板 この歌は 良寛と貞心尼が与板の造り酒屋山田屋で詠交わした歌であります 黒い僧衣を身にまとった良寛が 時々姿を現すのを見て 与板の人たちは良寛を「からす」と呼んだ 良寛は笑ひながら いづこへも 立ちてを行かむ 明日よりは からすてふ名を 人のつくれば 貞心尼はこれを受けて 山からす 里にいゆかば こがらすも いざなひて行け 羽根弱くとも 良寛さすが世間体を気にして いざないて 行かば行かめど 人の見て あやしめ見らば いかにしてまし しかし貞心尼は とびはとび 雀は雀 さぎはさぎ からすとからす なにか怪しき とやり返した 碑文は後段の2首を採ったものです 建立 平成3年与板還暦会 平成3年11月4日 長岡市 場 所 新潟県長岡市与板町東与板 いしぶみの里・良寛詩歌碑公園 別院橋東詰南の「たちばな自然公園」と表示の時計塔の脇 筆 者 貞心尼(蓮の露) 建 碑 平成3年(1991)11月4日 建碑者 平成3年与板還暦会 参 考 「定本良寛全集」2-0511 2-(22) 「いしぶみ良寛」続-45-094_095 「良寛・貞心尼の仮名を読む」175_176