新設:2017-05-01
更新:2023-03-25
撮影:2012-05-14
良寛遺墨碑「天上大風」
- 碑 面
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天上
大風
良寛書
良寛上人 道徳之外 詩歌高逸 書法絶妙 人得其半紙隻字者 珍襲愛翫 因之 奸商黠估 騙人財貨 玉石混糅 以余与上人交之久 人来乞題一言者 不尠
此燕駅 東樹氏所蔵 一日 東樹氏 来告余曰 上人在日 乞食燕駅 有小童 持一紙来曰 願書此紙 上人曰 汝将何用 童曰 我欲用此作風箏 請天上大風四字
上人便書以与焉 僕近得之 欲軸之装之為一幀 願子記其所依然 余展而閲之 視其真率無我現 於点画之間 想昔年之笑話 慨然援筆以識云爾
嘉永六年癸丑晩春 文薹居士
- 読下し
(識語・
顕彰文)
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天上大風 良寛書
良寛上人は道徳の外 詩歌高逸にして書法絶妙なり 人 その半紙隻字を得る者は珍襲して愛翫す 之に因り 奸商黠估人の財貨を騙り 玉石混糅す 余と上人と交わること久しきを以て 人来りて一言を題せんことを乞う者尠からず
此は燕駅の東樹氏の所蔵なり 一日 東樹氏来りて余に告げて曰く 上人在りし日 食を燕駅に乞う 小童あり 一紙を持ち 来りて曰く 願わくは此の紙に書せよと
上人曰く 汝将に何の用にせんとするかと 童曰く 我此を用いて風箏を作らんと欲す 天上大風の四字を請うと 上人便ち書して以て与う 僕 近ごろ之を得たり
之に軸し之を装して一幀と為さんと欲す 願わくは 子 その然る所以を記せと 余展べて之を閲するに その真率無我 点画の間に現わるるを視 昔年の笑語を想い
慨然として筆を援りて以て識すと云うのみ
嘉永六年癸丑晩春 文台居士
- 補 足
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燕市粟生津にある燕市長善館史料館入口左手前庭の良寛遺墨碑「天上大風」と全く同じ良寛遺墨「天上大風」と鈴木文台の識語を使っている
- 場 所
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新潟市秋葉区朝日2560 (真言宗智山派) 大悲山普談寺 境内
- 筆 者
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天上大風: 良寛
識 語: 鈴木文台
- 建 碑
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昭和60年(1985)
- 建碑者
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普談寺住職(檀家からの寄進)
- 参 考
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「いしぶみ良寛」続-04-012_013
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