良寛さま ゆかり
島崎 島崎橋西側
良寛「水神相伝」と桑原家
新設:2017-05-01
更新:2023-03-19
撮影:2011-05-20
良寛「水神相伝」と桑原家


写真左の島崎川に架かる島崎橋西側に
水神相伝で伝えられる桑原家(奥)


水神相伝
(読下し)
「定本良寛全集」第3巻-文集-P435-436「水神相伝」より

北越の桑原氏 其の先は賀の人なり 中ごろ 島崎荻川の上に移りて家す 家は世医を業とし 業余は農をなす 一日農より還り 馬を岸柳に維ぐ 日正に停午 水神偶出でて背を曝し 其の適人無きを候ひ 絆を解きて自ら纏ひ 将に水に牽き入れんとす 馬躍りて疾走す 水神力支ふる能はず 却って牽かれ廐に入る 馬嘶きて止まず 家翁往きて之を見るに 一稚子 馬絆に困みて啼く その面は血盆の如く垂髪肩に及ぶ 翁之を怪み 将に刀もて其の臂を断たんとす 稚子涙を流して云ふ 「我に霊方有り 之を秘すること久し 幸ひに命を賜はらば 則ち之を伝えん 。しからずんば則ち必ず子孫の殃と為らん」と

翁意謂へらく 「是れ水神なり」と 跪いて其の絆を釈き 送って河に到り 殷勤に別れを告ぐ 其の夕べ 一器を持ち来る 形は香奩の如く 大きさ椰子の如く 函蓋合す 謂はく「之を帯ぶる者は血痕を治せん」と 且嘱して云う「親と雖も子と雖も慎んで開かしむること勿れ」と 併せて其の薬方を伝ふ 其の方世に所謂阿伊寿なり 其の器は秘して厨庫に在り 此を以て之を験するに 其の験神の如し 爾後其の門を叩く者 日夜踵を続ぐ 今自り上る五世の祖なり 始祖より今に到る蓋し十有三世なり

補 足
良寛が 最晩年に住し遷化した庵があった木村家は 「水神相伝」で知られる医を業とした桑原家と道を挟んで 相互に斜め向いにある

桑原家は 桑原祐雪と祐順の父子が 良寛の乙子神社時代から良寛と親交があり 良寛の主治医的存在で 河童医者と呼ばれていたという

場 所
新潟県長岡市島崎4924辺り
   島崎橋西側 「はちすば通り」島崎橋口

参 考
「定本良寛全集」3-文集-P435_436
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